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▼STORY

2017年

5月

19日

1.【鈴峰千鶴という人間】

 

 

 この世界は不安定だ。

 何もかもが不安定で不確かで、誰もが不安の中で生き続けてる。

 誰もがずっと考えている。

 

 「なんで私は生きているのだろう」

 

 私もその一人だ。

 あの有名なアニメの歌詞でも、なんのために生まれて、なにをして生きるのか、

わからないまま終わる、そんなのは嫌だ。と言っていた。

 

 確かにそのとおりだ。

 私も何のために生まれたのか、何がしたいのか、きっと解っていないのだろう。

でも私は解らないままでもいいと思ってる。

 考えてもどうせ自問自答。

 答えは自分の中にあって人それぞれ違うのだ。

 

 そして私は考えたのだ、足りない頭でずっと考えた。

 だけどどんなに考えても、何度考えても、必ず同じ答えにたどり着いてしまうのだ。

 

 「生まれた意味なんて存在しない」

 

 これが私の“答え”だった。

 何度も考えたが、そんなありきたりな答えしか出なかった。

 私は物語の主人公なんかではなくて、楽しい毎日も辛い日々も、一般的で極平凡、退屈でしかなかった。

 ありきたりな毎日でつまらない、なんの魅力も無かった。

 

 私には悩みなんてなにも無い。

 たとえば家庭内暴力を振るわれていたり、学校で虐めがあったり、

彼氏に振られたりだとか、治らない不治の病があるだとか、その他くだらないような悩み、

テストで酷い点数をとったとか、バイトで失敗してしまっただとか、たいそれた夢なんかも無くて。

 

 そう、悩みなんてひとつも無かった。

あるとすればよく言う

 

 「悩みが無いことが悩みかな」

 

 お母さんは怒ると少し怖いけど優しいし、お父さんも少し頼りないけど優しいし、尊敬している。

 友達もそれなりには居たし、頭も自慢になってしまうが、そんな悪いほうじゃない。

 彼氏は・・・まぁ・・・その・・・かなり好きだ。

 

 でもそれは私にとってとても平凡で退屈な人生だった。人生経験が17年しかない自分が言って良いセリフではないのだろうけど。

 ありきたり、ただそれ一言で表現出来るような人生。

 そして私はまた考えるのだ。

 

 「なんで私は生きているのだろう」と・・・。

 

 そして私はいつも、ありきたりで、とても滑稽な考えに至るのである。

 

 「死んでしまいたい」

 

 とても愚かで、幼稚で、それでいて馬鹿な考えだと自分でも思う。

 きっと厨二病なのだ。

 

 だって悩みなんかほとんどと言っていいほどになにも無いのに、頭の中では“死にたい” と常に考えている。

 おかしいじゃないか、悩みが無いのに、何故死にたいのか?

 

 だけどこれしか考えられないのだ。

 悩みが無いからこそ、こういう考えに至ってしまうのだ。

 

 私は退屈なんだ。

 この人生が。

 この時間が。

 この世界が。

 

 私が欲しているのは、ありふれた幸せとか、ありふれた悩みなんかじゃない。

 今の私は死ぬ事にしか“魅力”を感じられない。

 

 

 

 

 そう、私は“死”に恋をしているのだ---------

 

 

 

 

 

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